処方薬「ヒルドイド」の類似商品として誕生したマツキヨ「ヒルメナイド」。

マツキヨ「ヒルメナイド」は成分においてはヒルドイドと同じヘパリン類似物質を含有しています。

ヒルドイドと同じ成分を含むことにより保湿や血行促進といった効果がマツキヨ「ヒルメナイド」には期待されます。

効果としては同様のものが期待されるヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」。

2つの違いとして一番い大きいのは医薬品としての定義です。 ヒルドイドは処方薬であり「医療用医薬品」に該当します。

マツキヨ「ヒルメナイド」は市販薬であり「一般用医薬品」に該当します。

また、成分においてはヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」は同じものを含みますが、添加物については異なります。

マツキヨ「ヒルメナイド」にはヒルドイドには含まれていない添加物がいくつか使用されています。

ヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」の違い(医薬品としての定義)

厚生労働省のHPでは「医療用医薬品」と「一般用医薬品」の定義、承認審査上の違いについて次のように挙げられています。

「医療用医薬品」

定義:医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう。                                              承認審査上の違い: 医師等の管理が必要な疾病の治療・予防に使用されることを前提に、有効性及び安全性を比較考量して審査される。

「一般用医薬品」

定義:医療用医薬品として取扱われる医薬品以外の医薬品をいう。 すなわち、一般の人が薬局等で購入し、自らの判断で使用する医薬品であって、通常、安全性が確保できる成分の配合によるものが多い。

承認審査上の違い:一般の人が直接薬局等で購入し、自らの判断で使用することを前提に、有効性に加え、特に安全性の確保を重視して審査される。

医療用医薬品」と「一般用医薬品」の定義を決定づけるのは厚生労働省による承認審査です。

医療用医薬品」は疾病の治療・予防に使用されることを前提としており、「一般用医薬品」は特に安全性の確保を重視して審査されています。

つまり

  • 医療用医薬品」であるヒルドイドは治療や予防が大前提のもの。
  • 「一般用医薬品」であるマツキヨ「ヒルメナイド」は安全性の確保が重視されたもの。

 

最大のポイントが「治療·予防」と「安全性」で異なっているわけです。

ざっくりいうと症状を治したいなら「ヒルドイド」、安全に使用したいならマツキヨ「ヒルメナイド」ということになります。*ヒルドイドが危険、「ヒルメナイド」が症状改善できないというわけではありません。

「一般用医薬品」であるマツキヨ「ヒルメナイド」は、誰でも購入できる商品であるため安全性が確保されるのは当然と言えば当然ですよね。

ヘパリン類似物質を成分として使用しているヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」ですが、大前提となているポイントが異なっているのは認識しておきたいところです。

ヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」の違い(添加物)

ヒルドイドとマツキヨ「ヒルメナイド」は成分としてはどちらもヘパリン類似物質が含まれているものの、添加物については異なります。

ここではヒルドイドの「ヒルドイドソフト軟膏」とマツキヨ「ヒルメナイド油性クリーム」の添加物について比較していきます。

「ヒルドイドソフト軟膏」添加物

グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエンエデト酸ナトリウム水和物パラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸プロピル

マツキヨ「ヒルメナイド油性クリーム」添加物

グリセリン、スクワラン、流動パラフィンワセリン、セレシン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸Mgパラベン

白色の「軽質流動パラフィン」と「流動パラフィン」は粘度の違い、「白色ワセリン」と「ワセリン」は純度の違いで名前が微妙に異なっています。

同じく白色の「パラオキシ安息香酸メチル」、「パラオキシ安息香酸プロピル」は「パラペン」の一種であるためほぼ同じものと言えます。

水色が異なる添加物になります。

「ヒルドイドソフト軟膏」に含まれるジブチルヒドロキシトルエンエデト酸ナトリウム水和物について

ジブチルヒドロキシトルエンは酸化防止目的で使われています。

エデト酸ナトリウム水和物は軟水化目的で使われており、マツキヨ「ヒルメナイド ローションタイプ」にも使用されています。

マツキヨ「ヒルメナイド油性クリーム」に含まれるポリオキシエチレンオレイルエーテル(副作用)硫酸Mgについて

ポリオキシエチレンオレイルエーテルは石油系の非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)で本来は水と油のように混じり合わないものを混ぜ合わせるのに役に立ちます。

実はポリオキシエチレンオレイルエーテルに関しては過去に次のような事故(副作用)が起きています。

ポリオキシエチレンオレイルエーテル(成分表示名 称: オレス-2, オレス-5 またはオレス-10)を配合した眼周辺部に用いるメーク落としによる眼に対するトラブルが発生した。 危害の状況としては眼に入ると時間の経過とともに眼の「痛み」.「かすみ」等の症状が現れ,視力に影響を及ぼした事例もあった。 眼科医の診断は角膜損傷,角膜に傷がつく等であった。 原因物質 オレス-2: ポリオキシエチレンオレイルエーテル (2E.O.) オレス-5: ポリオキシエチレンオレイルエーテル (5E.O.) オレス-10: ポリオキシエチレンオレイルエーテル (10E.O.) (いずれも非イオン界面活性剤)

一方で日本石鹸洗剤工業会によると「ポリオキシエチレンアルキルエーテル 」は非イオン性界面活性剤に属していて「通常に使用する分には人の健康・環境への負担は少ない界面活性剤」とされており「安全に使用できる洗浄成分と考えても良い」という結果も報告されています。

ここでマツキヨ「ヒルメナイド」の注意点を確認しおきますね。

使用上の注意点 【してはいけないこと】 (守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります。) 1.次の人は使用しないでください。 (1)出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の人 (2)わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人(血液凝固抑制作用を有し出血を助長するおそれがあります) 2.次の部位には使用しないでください。、粘膜(口腔、鼻腔、膣など)

マツキヨ「ヒルメナイド」の使用上の注意点にははっきりと「目」への使用は避けるように記載してあります。

つまり使用上の注意を守った上で使用すれば問題ないという解釈をすることもできます。

ただし、マツキヨ「ヒルメナイド」を使うことによる安全性は個人により異なります。

心配な方は薬剤師や販売登録者に相談の上使用することをお勧めします。

硫酸Mgは温浴効果が期待できるもので入浴剤などにも使われています。


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